年末掃除で、 衿と袖を取った状態で、

なが~く放ったらかしになっていた古い着物を発見。

HANA +MAMAHANA ARTS JAPANでの再利用目的の

はずでしたが・・・袋に入ってクシャクシャの状態。

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元はこんな感じ。地色がきれいで安価だったので

オークションで購入・・・というのは表向き

実は、気に入った着物1枚を落札していて、

その一枚のために送料を払うのが嫌で・・・

つい、買いました。

 

50~60年前までは、着物といえば、裏地は赤の

紅絹(もみ)だったようですが、が今では珍しい配色。

柄も優しい色合いで現代の鮮やかな色柄とは違った

雰囲気。 とはいうものの、総合的に見て、

着用するには、難が多いので、解いてリサイクル。

大体、着てゆくところもないし

・・・ということで、何かに再利用しようと解くことに。

こういった色柄は、服にリメイクするにも、なかなか難しいのです。

でも、部分的に利用するなら、いろいろと出来そう。

(わたしがいろいろと出来るかどうかは別として

 

なぜ、途中で放ったらかしになっていたか、というと・・・

 

とにかく、解きにくくて、わたしの手間賃、かかりすぎ

やってられっか

 

しかし・・・ いやいや、こんなことではいかん

年も改まり、心機一転(大袈裟)再チャレンジ

 

解き(ほどき)

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            ☝

紫色の白糸は着物の縫い目。 グリーンの黒糸は、普通のミシン目。

最近は着物のミシン縫いもあるようです。 価格は断然、安価ですが、

解くと目の跡が残りやすいし、手縫いの柔らかい風合いは出ません。

とはいうものの、気軽に着物を楽しむには、価格は重要。

昔と違って人件費が高い現代。 その代り、選択肢は増えています。

 

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ところで、件の着物。

解きにくい原因

① 縫い目が揃っておらず、素人縫いのよう(上画像)

② 裏地が薄くて引っ張ると破れそう(下画像)

③ 表地は縮緬で、表面が凸凹しているので、縫い糸を

  引っ張っても引っかかって抜くことができない

結果、縫い目を一目ずつ解いてゆくことに・・・

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画像のようなリッパ―という糸切りで縫い目を切って

ゆきます。 股の部分がカッター状になっています。

もちろん、ハサミでもよいのですが、布地まで切ってしまい

そうですから。 いろいろと便利グッズはあります

 

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布地に残った糸を、糸ぬきで取って処理。

ああっ 辛気くさっっ

面倒なので、手で引っ張って抜いたりします。 けど、指先が

太いし、老眼で手元もよく見えていないので、結局、糸ぬきを使用。

 

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         ☝

着物の表と裏は、ざっくりと縫い付けてあります。

紅絹は、色移りがしやすく、昔は、着物の下着(肌襦袢)に

色がついて、困ったそうです。

今のように白色系がメインになったのは、合理的でもあるようです。

 

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袖口と裾には、薄い綿がはいっています。

「ふき綿」というそうで、豪華で重厚、柔らかく見せる効果があります。

昔はちょっと裕福な階級に使われていたようですが、

明治頃から一般的になったようです。

今は、一般的にはあまり使われませんが、復活の兆しも

チラホラ。 ちょっとレトロで艶っぽい感じがいいですよね。

くしゃくしゃ状態ですみません・・・・

 

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さて、ようやく全部解けました。

はぁ~しんど・・・

普段の解きの2~3倍ほどの手間暇がかかってしまいました。

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着物一枚分の糸と綿。

糸もなるべく長くなるように解いて再利用することもありますが、

古いので切れやすく、手間がかった割には問題になりやすい

特に古い絹糸は弱くなっていますから。

どなたか、再利用方法をご存じでしたら、お教えくださ~い