Kyoto Crafts Exhibition 「旅と工芸」
日本の工芸は、とっても素敵!
ぜひ、広く国内外の皆様に知っていただき、活性化の一助になれば、と
思う日々です。
・・・が所詮、職人でもない素人。
ほー!! へぇ~?! はぁーーー、という驚きの連続です。
3月17日から3日間、京都府主催の第一回「Kyoto Crafts Exhibition」が
開催されました。
今回のテーマは「旅と工芸」
会場は、「ホテル カンラ 京都」
地下鉄五条駅すぐ、東本願寺の北、京都駅からも近い便利な場所です。
最近、あちこちのホテルで、客室を利用した展示会が開催されています。
京都市をはじめ、多くの共催を得て、相当気合の入ったクオリティの高い
展示会です。
ご招待くださった、友禅作家の眞鍋さんと、作品。
ファンタジーたっぷりの作風です。
岐阜の陶芸の産地とのコラボ作品。
おもてなしのお皿としても活用できます。
甲冑を制作されている会社もありました。
300年前のものだそうです。
西陣織 箔屋さん。 これは、和紙をカットしたもので、
帯になります。
箔の技を知ってもらうために、制作している箸。
現在は、こちらの制作で多忙だとか。
その他、展示も様々に工夫されていました。
若い職人さん、デザイナー、プロデューサーの方々が多かったのも
心強い印象でした。
ホテル1階では、月曜日以外は、金継の実演もあります。
宣伝ではありませんが、立ち寄ってみる価値ありです。
蝶番の割り付けと喰い裂きについて
今回のブログでは、蝶番を5つに分ける理由と
竹べらを使った”喰い裂き”について書きたいと思います。
蝶番の割り付けを5つに分けています。
割り付けは奇数と偶数によって変わるらしく・・・
偶数で分けてしまうと、後で1~2mmほどズレてきてしまうのです。
偶数の方が蝶番の枚数も1枚減り、少しは楽なので、簡単に済ませている職人さんは
偶数で分けている方も少なくないのですが、 表具師の芳寛堂さんは、奇数にしています。
奇数に分けることで、真ん中にくる部分が芯となり、均等に力が交わるため、いびつな形にならないのです!
次に喰い裂きについて説明したいと思います。
喰い裂きとは、和紙の裁断方法の一つです。
カッターなどの刃物で裁断する方法もあるのですが、刃物で裁断してしまうと、
切り口がシャープになってしまい、和紙と和紙を重ねた時に段差ができてしまいます。
それを回避するために、喰い裂きという裁断方法を選ぶのです。
使用する道具は、竹べら・刷毛・ものさしの3点のみです。
1. まずは、少し水をつけた刷毛で、裂きたい部分に線を引く様に和紙を湿らせます。
2. 湿らせた部分を竹べらで数回上から下へと擦ります。
3. 後は、紙と紙を引きちぎる様に裂くだけです。
少し手間を掛けるだけで、本当に繋ぎ目がどこにあるか分からないくらい目立たないし、
段差ができないので、面白いと思いました。
次回のブログで、蝶番張りの続きを書きます!お楽しみに!
紙蝶番①
いよいよ下貼り作業が終わり、蝶番張り作業に入りました
ここまでくると完成間近です!
まず、固定をするために元々、木枠の淵に何箇所か竹の釘が打たれているのですが
それを、かなづちで奥に打ち込む作業から始まります。
鉄釘だと錆びてしまうので竹釘を使用するそうです。
竹釘なんて見たことが無かったし、存在も知らなかったので感動しました
打ち込むとこんな感じに!
木枠の側面をカンナで削っていきます。
この作業(カンナ削り)を専門に行う業者が今はいてるのですが、
表具師の芳寛堂さんは今でもご自身でされています。
真剣な眼差しで慣れた手つきで颯爽と削る姿はかっこ良かったです
削ってから、削り足りていないかを竹定規で何度も確認!
下貼りを貼っている枠からはみ出ている角をノコギリで削ぎ落としてから
カンナで先ほどと同様に削ります。
側面を均等に4箇所、3mmほどノコギリで跡をつけます。
180°開くことができる屏風を作るための下準備として跡をつけるのです。
蝶番を貼り付けている様子の前に、蝶番の割り付けについてと食い裂きの仕方を
次回のブログで説明したいと思います。
宜しくお願い致します。
蓑縛りの様子
こんにちは
蓑張り作業を終え、糊を乾かしてから「蓑縛り」という作業に入っていきます。
蓑縛りをしている様子を拝見させて頂いたので今回、ブログに書こうと思います。
蓑縛りを簡単に説明すると、、、
前回のブログで説明した、「蓑張り」では、木枠に対して横向きに和紙を何枚も重ねていきます。
そして、その上から次は、縦向きに和紙を何枚も重ねて貼っていくのが「蓑縛り」です。
なぜ、この様な貼り方をするのかはちゃんと理由があります
和紙の場合、繊維が縦に入っています。
なので、横の次は縦と順に重ねて貼っていく事で、更に丈夫になるからです。
ここからは、実際に作業をしている様子です。
まずは、貼っていく和紙を数枚、準備をします。
そして、塗り残しのない様、和紙全体に糊を塗ってゆき・・・。
塗り終えると、素早くその和紙を持ち上げて、蓑張り作業を終え、乾かしておいた屏風に重ねます。
そして、すぐに大きな刷毛をとてもスピーディーに動かして素早く貼り付けてゆきます。
何度、写真を撮っても動きが早いので刷毛がブレてしまいます!
この写真から素早さが伝わってくるでしょう
これを何度か繰り返して蓑縛り作業は終了です。
何枚も和紙を重ねる事で、長く使える屏風になるのです
余談となりますが、取材に伺った際、表具師さんが屏風や掛け軸に全く無知の私に勉強にと、
「表具のしるべ」という本を貸して頂きました。
パラパラと中身を見た時に、最初の印象は難しそうな本だなぁ〜。と思っていたのですが、
自宅に帰り読み始めると、文字と同じくらい写真も沢山載っていて図鑑の様でとても読みやすかったです。
最初に表具の基本である、使用する紙の種類や表具各部分の名前、説明がわかりやすく記載されていて
読み進めれば読み進めるほど勉強になりました。
嘘の情報が多いネットですが、すぐ簡単に調べれることができるということもあり、
ネットで情報集めをすることが多く、今回、本で様々な知らないことを学ぶことができてよかったです
長くなってしまいましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。
屏風~蓑張り~
今回のブログでは骨縛りの次の段階である、蓑張りについて説明していきます。
まず、このように縁と真ん中に糊をつけていきます。
次に、魚の鱗の様に昔使用されていた詩吟の教科書を重ねて貼っていきます。
詩吟の教科書を使用する理由は、前々回のブログに載せているので、ご参照ください。
http://osaka.machiblog.jp/hanaartsjapan/?p=818
話を戻しまして、この様に重ねて貼り合わせることで、くっついているところと
くっついていないところができ、空気が入ります。
空気をあえて入れることで屏風だと、そりを防止することができ、
ふすまだと、断熱効果があります。
この屏風のサイズだと2枚1セットで6枚貼っています。
裏面も同様に貼って、糊を乾かし、蓑張り作業は完了です。
昔からの知恵が、今でも受け継がれていることは本当にすごいことだと思います。
屏風 ~骨縛り~
今回のブログでは、下貼り工程の中の「骨縛り」について説明したいと思います。
骨縛りとは、繊維の強い和紙を使用し、木枠を締め付けてガタつきを防ぐために必要な工程の1つです。
上の写真は、和紙に刷毛で糊をつけている様子です。
このように、紙の端から端まで塗り残しがないよう全体に糊をつけてゆきます。
次に全体に糊がついている和紙をこのように貼り付けてゆきます。
素早く刷毛でシワができないように伸ばしながら綺麗に、数回に分けて貼ります。
Instagramに職人さんが骨縛りをしている様子を一部、アップしているので
是非、見てみてください。
http://instagram.com/hanaartsjapan
また、フォローの方もよろしくお願い致します。
屏風の下張り工程
前回、投稿した帯を使った屏風を製作している工程を取材したので、ご紹介します!
まずは、使用する布や柄について解りやすく本を使って説明して頂きました。
こちらが、屏風や襖を作るときに使用する道具です。
下張りに使用するのは、昔使用されていた詩吟の教科書です。
新しい紙は、そりが強く、扱いにくいため、
年月が経ってクセが無くなり丸く(やわらかく)なっている古い紙を使用します。
こちらの紙は、間似合紙というものです。
兵庫県の名塩が産地で、江戸時代から使用されています。
薄い紙に、粒子の細かい泥を混ぜているのが特徴です。
こちらの紙を使用して屏風を作ります。
今回は、木枠に下張りをする工程を撮影させて頂いたので、順に説明していきたいと思います。
1、刷毛で、のりと水を混ぜる。
2、定規を使い直角に貼ることを確認。
3、木枠に刷毛でのりをつける
4、木枠に紙を貼る
5、貼ってからもう一度、もう一枚の紙を貼り合わせるためにのりをつけて紙を貼る
6、刃で木枠からはみ出した紙をカットする。
7、裏面も同様に貼っていく(3~6の工程)
最後に、約1日置いて、のりを乾かします。
約1日、この状態で放置し、乾かします。
しわをなくしてピンと紙を張らせるために霧吹きをして下張りは完了です。
工程ひとつひとつが丁寧、尚且つ繊細で奥が深い仕事だと思いました。